アレルギー注射（アレルギーショット）

1. アレルギー注射とは？

2. アレルギー注射の仕組み

3. 日本で治療を受けれられる病院の例

4. リスクと注意点

1.アレルギー注射とは？

アレルギー注射は免疫療法と呼ばれる治療法の１つです。

各アレルギー注射には、患者がアレルギー反応を引き起こす特定の物質（アレルゲン）が微量に含まれています。

※アレルギー反応が発症しない程度の微量です。

アレルギーの発作を止めたり軽減したりするために、一定期間（通常は約 3 ～ 5 年）にわたる定期的な注射です。

回数を増やすことにつれて、医師は各アレルギー予防接種におけるアレルゲンの用量を増やします。

これは、体の免疫システムがアレルゲンに慣れさせるこえに役立ちます。

このように免疫システムはアレルゲンに対する耐性を発達させ、時間の経過とともにアレルギー症状を軽減します。

2.アレルギー注射の仕組み

上の図のようにアレルギー注射は二段階式で機能します。

1. 増量期（Initial Phase）

増量期は、アレルギー注射の治療の最初の段階です。この段階では、患者に投与されるアレルゲンの量を少しずつ増やしていきます。

• 頻度: 通常、週に1回または2回の頻度で注射が行われます。

• 目的: 体がアレルゲンに対して徐々に耐性を獲得できるようにすることが目的です。アレルゲンの量が少ない状態から始まり、時間をかけて徐々に増やしていきます。

• 期間: 増量期は数ヶ月にわたって続けられますが、個々の患者の反応やアレルゲンの種類によって期間は異なりますが、一般的には3カ月から6カ月です。

2. 維持期（Maintenance Phase）

増量期が完了すると、治療は維持期に移行します。この段階では、増量期で設定された最大量のアレルゲンを定期的に注射し、体がその耐性を維持できるようにします。

• 頻度: 通常、2週間から1ヶ月に1回の頻度で注射が行われます。最初は頻度が高く、その後徐々に間隔が広がることがあります。

• 目的: 体がアレルゲンに対して高い耐性を持ち続けるようにすることが目的です。これにより、アレルギー症状が長期間にわたって軽減されます。

• 期間: 維持期は通常3～5年続けられますが、患者の症状や治療目標によって異なる場合があります。

増量期の段階で症状の軽減に気づく方もいるかもしれませんが、改善に気づくまでには維持期に移行し始めてから1年間もかかる場合があります。

アレルギー予防接種が成功した場合、通常はメンテナンスフェーズを3～5年継続する必要があります。

アレルギー注射を中止するためには、アレルギー専門医/免疫学者と相談する必要があります。 

3.日本で治療を受けれられる病院の例

• 国立国際医療研究センター病院（東京都新宿区）

  
  

• 順天堂大学医学部附属病院（東京都文京区）

  
  

• 大阪大学医学部附属病院（大阪府吹田市）

  
  

• 名古屋市立大学病院（愛知県名古屋市）

  
  

• 福岡大学病院（福岡県福岡市）

  
  

4.リスクと注意点

①５歳未満の子供には推奨されていません！

→自分の症状を明確に訴えることが難しいからと言えます。

②食物アレルギーを治したい人はこの治療法は受けられません！

→アレルギー注射は食物アレルギーには使用できないからです。

③長期にわたる薬の使用を避けたい場合

→この治療法は定期的に注射を打つ必要があるため、それを望まない人には推奨できません。

④アレルギーの重症度によっては治療できないので専門的な医師に相談しましょう！

⑤よくあるケースとしては注射部位の発赤と腫れです。

⑥アレルギー注射による重篤な反応（アナフィラキシー症状など）は稀ですが、発生する場合があります。

→アナフィラキシーの症状には喉の腫れや胸の圧迫、吐き気、めまいなどがあります。

※重篤な反応は注射後30分以内に起こることが多いため、接種後は少なくとも30分間は診察室で待機することが推奨されます。

List of References

(n.d.). Allergy Shots (immunotherapy). American Academy of Allergy, Asthma & Immunology. https://www.aaaai.org/tools-for-the-public/conditions-library/allergies/allergy-shots-(immunotherapy)

Images: created with Canva